生命の治癒力

果たして「治癒力」という表現が適しているのか、ちょっと疑問だが、生命の持つ治癒力の力は大きいと思った。
というのは、実は昨年の夏より、非常に真面目に長年勤め上げてきた仕事を退職した義父が、退職と同時に自分でも予想していなかった様な、脱力の精神状態が続き、本当にこの一年近く、本人が一番苦しかったと思うが、家族共々本当に心配が続いていた。傍にいる義母は、とても献身的に義父に尽くし、何も出来ない私は、せいぜい母の愚痴を聞く程度しか出来なかったが。。。
ところが春になり、ここ最近、義父は何かスーッと吹っ切れた様で、とっても元気に前向きになり、以前同様の若々しいステキな父に戻ってきた。
心境の変化から、どんなに周囲があの手この手を差し伸べても受け入れる事ができず、とても苦しい思いをしてきた父を目の当たりに見てきたこの一年を思うと、最終的には本人の持つ『治癒力』に勝る薬は無いのではないか?という結論であったと思える。
薬を投与し延命を良しとする医療現場があるとするなら、生命の本来持つ治癒力は、その治療に果たして比例するだろうか?という疑問がある。
父は苦しい時期、薬に頼り、傍から見ていると傷ましい様に思えてならなかった。薬は逆に父の本来持っている治癒力を封じ込めてしまっている様に思えてならなかった。
今の父は、徐々に薬を減らし、最終的には飲まないようにする様、自ら調整する様になった。
生命の持つ治癒力、そして生きる力。その力の大きさを尊重できるようにしたい。