ワーキングプア

昨晩NHK放送の「ワーキングプアⅢ解決への道」を観た。「働いても働いても豊かになれない」これは決して一部の層の人の問題ではなく、一般生活水準の層の人達が直面している問題であることを番組を観て実感した。
グロバール経済が浸透している状況下でアメリカの多くのIT技術者がインド、アジア圏の高度な能力を持つ安い賃金での技術者に押され、失業者が続出している現実。職なき者達へのセーフティネットが無いアメリカの市場主義社会。この現象は、決してアメリカだけではなく、この日本でもそのまま置き換えて考えられる状況ではないだろうか?
昨晩の放送では、その解決策としてノースカロライナ州で行っている低賃金労働者へ向けてのバイオテクノロジー技術教育と就労への支援。イギリスでの貧困家庭の子供達への連鎖を防ぐ為の社会的企業なる民間企業と連携しての技能教育支援。これらの事例の紹介をしていた。いずれも教育&就労の連携した支援であるところが重要であると感じた。
日本での支援事例として北海道での取り組みが紹介されたが、支援労務を担当している方自身の月収が10万、その為夜間は塾の講師も行って生計を立てている。これが日本の現状なのかと、本当に情けない思いをして観た。
国をあげて教育と産業の見直しと対策を即刻しなければ、市場主義グローバル社会から産まれ出る膿は、たちまち経済を急速に落ち込ませていくのは間違いない事実。今大きな問題となっている年金問題も国の責任で起きているのは明らかなのだから、早くその責任を具体的な補償策として対応に取り組む必要があるのに、何が公約違反かどうか?などとこの場において責任逃れする発言で空転している状況を見るにつけ、腹立たしくなる。
肝心な事に適切な対応がされていない社会。スピードが必要な事に遅すぎる対応ばかりの社会。こう社会批判ばかりしていても仕方ない。では、私に出来ることは一体何だろうか?と考えさせられる。