別れの日

今日は2つの別れがあった。
午前中は息子の担任だった先生の引越し。独身の若い男の先生は、いつも子供達と体当たりで向き合ってくれていた。先生のアパートから荷物を運ぶ子供達。ダンボールに詰まった1つ1つが、ずっしりと詰まった思い出の様に思えた。学校の卒業式の時とは違い、先生を見送るこの別れは、次のステージへの「頑張れよ!」というエール交換の様に思えた。
そして午後は4年間頑張ってきたサッカーチームの最後の練習。練習に行く前、軽い昼食をと思い、部屋を覗くと机に向って頭を下げたままじっと動かない姿があった。「どうしたの?」と聞くと「嫌だなー、今日で最後かぁ〜〜。。」と。。最後の練習を私はグラウンドでずっと見ていた。何だか、いつもと少し雰囲気も違い、静かに淡々と練習試合をしている子供達の姿だった。
最後にコーチが「一生懸命ボールを追いかけて頑張って走ることは、格好悪い事じゃないぞ!!皆がしていない時に、自分だけ一生懸命勉強を頑張ってしていることも、格好悪い事なんかじゃないぞ!頑張ることは、格好悪い事じゃないんだぞ!自分が頑張っている事、人と違っていても、頑張る事は決して格好悪い事なんかじゃない!!中学へ行って、色々な事に頑張って欲しい!!」そう、コーチは子供達に言ってくださった。傍で聞いていた私は、コーチを真ん中に囲んでいる子供達の、涙でぼやけたその姿を、決して忘れないだろう。一つ一つ、目の前の事に一生懸命取組み頑張ってきた子供達には、コーチの言葉は胸に沁み入るほど理解できただろうと思う。
子供を通じて、私も今日は心がいっぱいになる忘れられない一日になった。「別れ」は悲しいけれど「別れ」と同時に次への「出発」でもあるのだから。「別れ」「終わり」の次が無いことなど決してない!次とは「自分」が作るのだという事を12歳の息子は、この二人の師から、しっかりと学んだのだと思う。